日本再生のために僕達がすべきこと

コモディティ産業から脱却し、イノベーションやブランドなど、高付加価値産業で勝負しないといけない。
なぜなら、コモディティ産業でどれだけ高品質化・コスト効率化しても結局人口ボリュームが大きく人件費が安い国には勝てないからだ。
確かにユニクロやニトリなど、日本国籍の企業でコモディティ産業でもうまくいっているところはある。しかしそもそもそれらの企業の生産拠点は海外に移ってしまっているし、技術イノベーションが起きるとそれまで技術の劣っていた人件費の安い競合国家でも同等レベルの製品が作れるようになってしまい、国際的な価格競争に巻き込まれる。昔スイスの時計産業が日本の時計産業の台頭により岐路に立たされ、日本の時計産業が自らの技術イノベーションにより中国の時計産業にシェアを奪われてしまったことと同じことが起こってしまう。

日本を継続的に発展させ、1人あたりGDPを高く保つためには、「いかに人件費が安い国・会社との競争を避けるか」が重要だ。そのためには、(1)イノベーション産業 や (2)高級ブランド などの高付加価値分野で勝負するか、(3)その国にしかない価値で勝負するかしかない。
国家/地域で例えると、(1)はスイスやシリコンバレー、(2)はスイス、(3)はスイスや香港やシンガポールをイメージすると分かりやすい。(スイスだらけ・・・笑)
(1)は特に工業製品などで強く言えることで、テレビや半導体などのコモディティ製品で勝負するのではなく、医療系電子機器や航空機エンジンなど、研究開発に時間やコスト、ハイレベルな人材が必要な分野で勝負する必要がある。
(2)は時計や自動車、ファッションに加え、食品などでの勝負が上げられる。この分野は日本人が苦手な分野で、世界市場を理解して適切なブランド戦略を展開する必要がある。例えばフランスのLVMHは多数の高級ブランドの親会社だが、決して親会社であるLVMHの存在は表には出さず、各ブランドの存在を全面に押し出すし、ブランドのアイデンティティを尊重するため、1つのブランドの中で価格帯の異なる複数の価格帯の商品を出すようなことは一切しない。また、食品で見ると例えばイタリアやポーランドのハムはハムカテゴリの中でのブランド品となっているのに対し、北海道の各種農産物は品質がある程度高いのにも関わらず、世界から見たブランド認知はおそらくそこまで高くないし、北海道の◯◯は本当に美味しいよね、と言われるほどの商品は作れていない。
(3)は自国ならではの資源や、隣接する国との位置関係など他の国にはない強みを活かし勝負することを指す。例えば自然環境や食文化などの強みを活かしうまくブランディングして観光(しかも短期滞在ではなくディスティネーションツーリズムと呼ばれる長期滞在型)立国としたり、隣国の経済成長をうまく取り込むことなどを指す。
前者は隣国の言語が通じる環境を作り、ハブ空港を作った上で適切な観光ブランディングを行ったり、カジノなどのエンタメ施設を新たに作るなどが考えられる。後者は資本を受け入れたり、共同で事業を作ったり、その国で受け入れる商品を開発してうまく売り込んだり、金融など隣国からのお金が落ちる仕組みを作ることを指す。これはスイスに加えて香港やシンガポールが非常にうまい。

これらは全て大前研一氏の「クオリティ国家という戦略」という本に書かれていたことだ。常々頭の中にぼんやりと思い描いていたことが非常にすっきりと整理されていて感銘を受けた。大前研一さんってすごい人なんだな。

大前氏曰く、これらは道州制が実現し、日本が中央集権から地方分権に移行し各地方がスイスやシンガポール、香港などと同規模のクオリティ国家となり魅力ある生活環境(低所得税・自然環境・住宅環境)と魅力ある事業環境(低法人税・魅力ある人材)を提供して世界から企業・金・人材を呼び込んだ上で、グローバル人材育成環境とイノベーションクリエイティビティ環境を整えグローバル市場で勝てる競争力を整えることが前提とのことだ。
その実現は政治家にお任せして、僕はビジネス面で日本の高付加価値化を実現したいと思う。